タケを資源とし、工業的利用の道をひらいたのがパルプ化である。 日本政府は1909年、台湾に竹パルプ工場を建設している。1914年にはインドではじめた。また1930年には、岐阜を中心とし、竹に注目してパルプ工場を設立したが、業者は竹材の出荷に手間がかかるため皆伐にはしった。その結果、次年筍が出ず、いっそう採竹地を広げることになり、集積費のかさみから原料の転換を余儀なくされてしまった。
竹は 70に近い属が知られているが、パルプ化に向くものとそうでないものがある。竹の欠点は、繊維に長短が混じっていることと、硬軟の差があることである。製品にするにはこれを分けなければならない。いままでは木材を混ぜていた。
竹パルプに最適な種類としてむりーがある。このムリーの果実はカキの実より大きいことで知られているが、竿や太さや外形がマダケに似ており、インドシナ半島から、ミャンマー、インドにかけて広く分布している。ムリーは繊維の長さがよく揃っていて、軟らかさももよく似ている。その他デンドロカラマスとバンブサの両属が適している。
発展 途上国の人たちは、タケ類を細工品をはじめ、薪炭材、家屋の建材として大いに利用している。東南アジア諸国のタケの使用量は、全世界の6割以上を占めている。
竹材資源には限界がないと考えていたが、無尽蔵な資源はない。日本の竹パルプ工場は倒産していった原因は、竹材には珪酸分が多く、固すぎるうえ、竹藪が散在し、竹材の出荷を甘くみていた。
☆タイ カンチャナプリー カオ・ヒンラップ
竹の試験場 1958年にできる。
☆フイリピン ルソン島
タケとラワンの廃材を混ぜて、紙を作る。
シゾスタチウム ルマンパオというパルプづくりにもっとも適している。
☆バングラデッシュ チャンドラゴーナー
輸入パルプと パガス サトウキビの搾りかすを原料に紙工場をつくる。